
金融業界の中でもここ数年で激しい変化が起きているのが生命保険業界です。
生命保険は規制緩和以降外資系の民間保険が大量に参入してきました。
外資系保険の多くは日本の国内生命保険会社と違って、
営業社員を使わないインターネットを使った
ダイレクト型の保険という方式をとっています。
テレビやネットを見ていると外資系生命保険の広告を見ない日はないほどになっていますが、
実際の保険料収入をみてみるとまだまだ日本の国内系生命保険の方に分があるようです。
具体的な業界研究をしてみると、
2013年の現在日本で営業展開をしている生命保険会社のうち、
最も保険料収入を上げているのは日本生命で、
僅差で明治安田生命保険が追っているという構図になっています。
なお民間保険ではありませんが参考までに
かんぽ保険は日本生命をさらに大幅に上回る保険料収入をあげています。
民間保険3位以降はトップ2よりも大きく売上高は落ちますが、
第一生命、住友生命、T&Dフィナンシャル生命保険と続いています。
一方外資系はということでみていくと、
現在までのところ日本生命や明治安田生命には
遠く及ばないものの急激に存在感を示すようになってきた企業が多くみられます。
プルデンシャル生命保険、アフラック、メットライフアリコの3社が
外資系生命保険のトップ3となっており、
国内第5位のT&Dフィナンシャルを既に追い越す部分も出てきています。
かつて国内で大きな売上を見せていたMS&AD、東京海上、NKSJといった
大手損保系の企業ではトップ企業と比べて1割程度の売上にとどまるほどになっており、
今後はより一層外資系のダイレクト型生命保険が
伸びていくことになるのではないかと予想されています。
しかし業界全体をみてみると、生命保険への加入数や加入世帯数は
急落といってもよいほどの落ち込みを示しています。
生命保険の新規加入数のピークは1991~92年くらいでしたが、
2008年までに1/4にまで落ち込みをみせており、
以後ゆるやかに増加傾向にあるものの横ばいがここ数年の間続いています。
反対に落ち込みの底となった2008年以降は
生命保険会社の総資産のうち国債に依存する割合が急増しており、
2006年までは総資産のうち15%程度であった国債割合は
2011年までに45%にまで増加しています。
今後は国内生命保険会社の終身保険販売が終了したことにより、
数年のうちにシェアが激変する可能性があります。