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2種類の営業

ルート営業と新規向けの営業の違い

私が今担当をしている仕事は、決まったお客様のところに出向いてお話を聞く、
「ルート営業」というものです。

よく仕事について書かれた文章などを見ると、
「営業のつらさは新しいお客様に興味を持ってもらえるように話すこと」
のようなものが多いようですが、営業と呼ばれる仕事はそればかりではありません。

私のように、既に会社が長年お付き合いをさせてもらってきている顧客のところを周り、
話を聞いてくるのも一つの営業としての仕事です。
個人的な意見ですが、営業という仕事ににも適正というものがあって、
「新規開拓」に向いている人と、
反対に「ルート営業」に向いている人とがいるように思います。

営業における新規開拓とは、
文字通りそれまで全く取引を行ったことのないお客さまのところに行って、
自社の製品を売り込むという仕事です。

新規開拓のための方法としては、飛び込み営業や電話セールス、
最近ではDMやメール、FAXなどを使ってアプローチをして、
そこから見込み客を選んで売り込みをかけるというやり方があります。

営業の仕事がつらいと思っている人の話をきくと、
大抵の場合この最初のアプローチで
「電話をガチャ切りされた」「飛び込みをしたら不審者や詐欺師のような目で見られた」
といった、初対面でのはねつけがキツイという意見が大半のようです。

ルート営業は没個性的な仕事

では、ルート営業の場合はどうでしょうか。
ルート営業とは、大企業や官庁など大手の取引先さんが
定期的に発注をする製品を取り扱い、
定期的に顔見せをしながら発注数を聞いていくという仕事です。

新規開拓のように門前払いをくらうということはまずなく、
先輩たちが開拓してくれたお客様との付き合いになるので、
最初から信用をして受け入れてもらえるというメリットがあります。

ですが反面で、それまで先輩が築いてきた信用を失わないように
細かい部分に気を使わなければいけないことが多く、
付き合いが長い取引先さんの場合には仕事以外での無理も
聞かなくてはいけないこともよくあります。
定期的に接待を行うことが慣例になっていることもよくあるのです。

私が今の仕事に不満を持っているのが、
このルート営業での慣れ合い的な雰囲気があるためです。
言ってみれば私個人の資質というよりも、
お客様がみているのは私の勤める会社ということになります。

ルート営業は、心理的に楽なように見えますが、
没個性的でともするとやりがいの薄い仕事と言い換えることもできるのです。